他人の性格は変えられない
他人の態度が気に入らないからといって、他人の性格を変えることはできない。
いや、正確に言うと「他人の性格を自分が思うように変えることはできない」だ。
人の性格はけっこう簡単に変わる。
しかし、それは本人が「変えよう」という意識を持ったときだけだ。
本人が意識を持って、行動や習慣を変えていけば性格も変わってくる。
性格そのものが変わるにはある程度の時間が必要だが、「変えよう」いう意識はきっかけさえあれば一瞬で持つことができる。
問題は、本人が自分の性格を「変えよう」と思うきっかけがどこにあるか、ということだ。
他人の性格を変えるきっかけを意図して与えることは難しい
過去に自分が「変えよう」と思ったきっかけと同じきっかけを他人に与えても、その人が自分と同じように反応するとは限らない。
ましてや「おまえのその性格はダメだから、こういう性格に変わるべきだ」なんてアドバイスがきっかけになることはまずない。
(しかし、多くの人はそのような無駄なアドバイスに時間とエネルギーを使っている)
事故がきっかけになる場合もあれば、本がきっかけになる場合もある。
結婚がきっかけになる人もいれば、失恋がきっかけになる人もいる。
とにかく、何がきっかけになるかは人によって千差万別で、共通のパターンがなく予測が激しく難しい。
だから、きっかけになりそうなことを他人に大量に与え続けて、そのうちの1つでもヒットすればラッキーくらいの気持ちで気長に構えるならいいが、そんな不確実な賭けに自分の貴重な時間とエネルギーを使うのはとてももったいないことだ。
(ちなみに、親や教師はこれをやるのが仕事だから、不確実でもやり続けるしかないのだが)
性格は変えられないが態度は変えられる
そんなことに時間とエネルギーを使うくらいなら、最初から自分と性格の合う人を探して、その人と仲良くなることに時間とエネルギーを使った方が何倍も幸せになれる。
自分と性格が合わない人とは距離を置けばいいだけだ。
しかし、実際はそううまくいかないのが人生の辛いところ。
性格が合わない人に限って向こうから近づいてきたりする。
かといって相手の性格をコントロールして変えることが厳しいことは前述した通りだ。
だが、幸いなことに相手の性格を変えられなくても、相手の自分に対する態度・行動はある程度変えることができる。
その方法は、自分の相手への態度・行動を変えることだ。
相手の性格に合わせてこちらの態度・行動を変えれば、それに比例して相手の態度・行動も変わる。
ポイントは「相手の性格に合わせて」というところ。
こちらがどういう態度をとれば相手がどう動くかをよく観察することが大切だ。
他人の態度・行動は植物のタネと同じ
植物の種に水を与えると芽を出す。水を与えないと芽を出さずに枯れる。
他人の態度・行動はこれと同じようなものだ。
芽を出させるには水を与えるしかない。
この性質を変えることはできないが、芽を出させるかどうかはこちらの行動によってコントロールすることができる。
デール カーネギーの名著「人を動かす」にはこう書いてある。
私はイチゴパフェが大好きだ。しかしなぜか魚はミミズが大好きだ。
魚を釣りたければイチゴパフェではなくミミズを針につけなければならない。
この例は極端すぎて滑稽に思えるかもしれないが、多くの人はイチゴパフェを針につけて魚が釣れるのを待っていたりする。
ないものねだりはもうやめて現実をよく見よう
現実をよ~く観察してみれば、自分でコントロールできて人生の幸せにつながることが必ずあることに気付くはずだ。
他人の性格のせいで自分が不幸になっていると思うなら、それは間違った思い込みだ。
自分が幸せになるためには、相手の性格を変えるしかないという考え方も間違っている。
他人の性格は変えられないが、それでも自分が幸せになる方法はある。
それを見つけて行動に移すことが後悔しない人生を送るポイントだと思う。