先日、自己価値感についてこんな記事を書いた。
自尊心と自己価値感は分けて考えた方が人生が捗るのではないか、という話(メンヘラ思考から抜け出して自分を大切にしよう)
その中でも書いたが、「自分を大切にするためには、自分に価値があると認めなければならない」というのは間違った思い込みだ。
自己価値感を求めるのはそのような間違った思い込みを親や周りの大人から刷り込まれたからであり、本来は不要な欲求なのだ。
自己価値感などなくても、人は自分を大切にして良い人生を歩むことができる。
しかし多くの人は自分の価値を確認することを求めて無駄な時間とエネルギーを使い、人生の貴重な資源を浪費してしまっている。
グーグル創業者が語る働き方の未来 「もう必死に働かなくて良いんじゃない?」
次の言葉は2014年にグーグル共同創業者のラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンに対して行われた公開インタビューの中で、ラリー・ペイジが語ったものだ。
インタビューの詳細については以下の記事を見て下さい。
グーグル創業者が語る働き方の未来 「もう必死に働かなくて良いんじゃない?」(キャリコネ)
我々が幸せになるために必要な資源は、実はかなり少ない。今の1%以下じゃないかと思うくらいだよ。多くの不必要な活動が、忙しさや環境破壊の元凶になっている
(ラリー・ペイジ)
さらに記事には次のような解説が書かれている。
ペイジ氏は、「もう必死に働かなくて良い」ということを人々がまだ認識していないと不満のようだ。何かやることがないと「不幸になる」と思い込んでいて、生産的な活動をして「必要とされている」と感じないと、人間は満足できなくなっているというわけだ。
このインタビューでは未来の働き方について多岐に渡る議論が行われているが、自分は最近考えていたことと重なるところもあってこの言葉がとても強く印象に残った。
多くの人は「自分が必要とされている」ことを実感するために自分の資源を無駄にしているだけでなく、地球の資源も浪費し環境を破壊してしまっているのだ。
間違った思い込みが環境破壊の原因になる?
自分はこれまで自己価値感などの心理的な問題と環境問題を結びつけて考えることはなかった。
しかしラリー・ペイジの言葉から、この2つには密接な関連があることに気づいた。
そう考えてみると、確かに世の中には無駄な仕事が多いように思えてくる。
本当は必要ないのに「自分が必要とされている」ことを確認するため、つまり「自分の価値」を確認するためにやっている仕事が多く存在しているのだ。
上記のインタビュー記事には次のような言葉も書かれている。
今の労働には無意味なものが多い。多くの人が働いているつもりになっている。
そしてそのような無意味な労働のために、人間の資源も地球の資源も無駄に使われてしまっているのだ。
心理学は人と地球を救えるのか?
ラリー・ペイジが言うように、人間が幸せに生きるための資源は、多くの人が考えているよりずっと少ない。
彼はそれを「今の1%以下じゃないか」と言っている。
つまり、残りの99%は人間の本質的な幸せとは関係ないところに使われているということだ。
それは間違った思い込みから生み出される「自己価値感」という偽の欲求を満たすために使われているのだ。
だとすれば、地球環境の破壊を止めるために必要なのは「我慢すること」ではなく、人々の間違った思い込みを修正することではないだろうか。
心理学が人間と地球環境に与える影響は、自分が思っていたよりもずっと大きいのかもしれない。
<参考記事>
・自尊心と自己価値感は分けて考えた方が人生が捗るのではないか、という話(メンヘラ思考から抜け出して自分を大切にしよう)
・グーグル創業者が語る働き方の未来 「もう必死に働かなくて良いんじゃない?」(キャリコネ)