子供に「なんで勉強しないといけないの?」と聞かれたらどう答えますか〜この質問への本質的な答えとは〜

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書店で目について気になったので読んでみました。

化学式を覚え、歴史の年号を暗記することに、
どんな意味があるのか、子どもに説明することができますか。
勉強することの意味を子どもにわからせるのはとても大切なことです。
受験勉強がまったく無駄な知識の詰め込みだと思い込んだら最期、
子どもにとって勉強は苦しみの対象となってしまいます。
無意味なことの繰り返しは、過去において、一種の刑罰でもあったのです。
勉強することの意味を子どもから訊かれ、合理的に答えられれば、
子どもの勉強に対するモチベーションは飛躍的に上がります。
(著者からのコメント)

自分も子供のころ勉強が大嫌いで、親に怒られるのを恐れて嫌々&渋々勉強していました。

この本を読んで考えるところが多々あったので、書き綴っていきたいと思います。

この質問の2つの間違い

この本の著者のように、子供に対して説得力のある合理的な説明が出来れば、子供の勉強への意識が変わることは間違いない。

自分の場合は親に「とにかくやらなきゃダメ」とだけ言われ続けてきたので、このようなことをきちんと説明してもらえたらどれだけ良かっただろうと思う。

そういう意味では、親がこのような説明をきちんとするか、とにかく強制的にやらせようとするのかは子供にとって大きな違いがあるだろう。

しかしよくよく考えていくと「なんで勉強しないといけないの?」という質問は「そもそも質問そのものが間違っているのではないか?」と思うようになってきた。

それも2つの意味で間違っているのではないかと。

そして、そのうちの1つの間違いには勉強に対する根本的な間違った思い込みが関係していて、上記の本のような勉強に対する合理的な説明よりもっと根源的で大切なことがあることを示唆しているのではないかと思う。

「なんで勉強しないといけないの?」の1つ目の間違い

子供は「なんで勉強しないといけないの」と質問してくるが、そもそも勉強は「しないといけないもの」ではない。

小・中学校は義務教育だが、それは子供が「教育を受ける義務」を負っているのではなく、親が「子供に教育を受けさせる義務」を負っているだけだ。

子供にあるのは教育を受ける「権利」であり「義務」ではない。

だからまず子供に答えるべきは「勉強しないといけないことはない」ということだ。

その上で「やりたくなければやらなくてもいいいけど、それでもやった方が絶対にいいよ」というのが正しい。

「勉強をすることでどれだけいいことがあるか、やらないと後でどれだけ苦労するか」については紹介した本がとても参考になる。

「なんで勉強しないといけないの?」の2つ目の間違い

2つ目の間違いは、間違いというより「そもそもこれは質問ではない」ということだ。

この質問の背後には「勉強はつまらない」という子供のメッセージが込められている。

ほとんどの場合、子供はこの質問をすることで「勉強する理由」を知りたがっているのではなく「勉強はつまらないからやりたくない」と主張しているのだ。

そしてこの主張こそ、勉強に対する根本的な間違った思い込みを示唆している。

今の日本ではほとんどの人が「勉強はつまらない」と思っているが、もともと学問とは人間の興味関心が作り上げたものであり、昔の人の「なぜこうなるのか知りたい」といった好奇心からスタートしている。

勉強とは本来「面白いもの」「自分がやりたいからやるもの」だったのだ。

それがいつの間にか「つまらないもの」「嫌だけど仕方なくやるもの」だと思われるようになってしまった。

もし子供が勉強を「面白い」「もっとやりたい」と思っていたら「なんで勉強しないといけないの?」という質問は出て来ないし、わざわざ勉強の重要性を説明する必要もない。

ここで前に書いた記事を思い出した。
「子供の学力を高める育て方、子供の能力を伸ばす親と潰す親の違い」

この記事の中で、超進学校の麻布中学の先生が「麻布に入学する子供の家庭環境」について語った言葉を引用している。

子どもって先天的にみんな好奇心をもっていると思うんですよ。
それが家庭環境のなかで「これやりなさい、あれやりなさい」と言われる子どもは、自分の疑問をあと回しにする癖がつく。
でも、逆に家庭でいろんなことをお父さんと一緒に調べている子どももいる。
そういうことだと思うんですよね。

そういうことなのだ。

子供が勉強を面白いと思うかどうかは、親が子供の好奇心を大切にしてそれを優先して扱ってあげるかどうかにかかっている。

「なんで勉強するの?」と聞いてきたときには子供はもう「勉強はつまらない」と思い込んでしまっているのだ。

大前研一氏の言葉に次のようなものがある。

面白い仕事と面白くない仕事というのはない。
面白い仕事のやり方と面白くない仕事のやり方があるだけだ。
(大前研一)

勉強も同じなのではないか。

勉強が面白くないと思い込んでいる人は、勉強の面白いやり方を知らないだけだ。

親が子供にしてあげるべきは勉強の面白いやり方を教える事

勉強の面白いやり方とは「自分の好奇心を大切にして、その好奇心と勉強内容をつなげる」ことだ。

親が子供にやるべきことは、その手伝いをしてあげることだ。

つまり「なんで勉強しないといけないの?」という質問に対しては「勉強はしなければいけないものではないし、つまらないものでもない」ということを伝えてあげることが大切なのではないだろうか。

<参考記事>
「子供の学力を高める育て方、子供の能力を伸ばす親と潰す親の違い」

参考本の紹介

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